【自作キーボード】PCB・プレートを選ぶときの「Type-A / Type-B」「2U Shift / 2.25U Shift」について解説!(適合しない場合は使えないこともあるので要注意)

KBDfansなどで自作キーボードのプレートを選ぶ際に、「Type-A / Type-B」といった具合に種類が分かれていることがあります。また、商品によっては「2U (Left) Shift / 2.25U (Left) Shift」という表記のこともあります。
これは行のズレ方の違いで区別されているのですが、馴染みのない方には少々難しいかもしれません。

今回は、それぞれどう違うのか、そして選ぶ際の注意点について解説していきます。

適合しないTypeのプレートを購入してしまうとキーボードを組み立てることができず、泣く泣く買い直すといったこともあるので、筆者の二の舞にならぬよう気をつけてください!

目次

【前提】ロウスタッガードとは?

本題に入る前に、説明を理解するために必要な概念を一つ紹介します。

一般的なキーボードを思い浮かべてみましょう。

アルファベットの左端は、上から順に「Q」「A」「Z」と並んでいますね。
そしてこの3つを見比べると、横方向にズレているのが分かるかと思います。

「今さらそんなこと当たり前」と思われるかもしれませんが、このように1行1行をグループとして横方向にズレている配列のことを、ロウスタッガード(Row-Staggered)と呼びます。

Row(ロウ)は「行」、Staggered(スタッガード)は「ズレている / ジグザグ状の」という意味です。

名前が付けられているからにはロウスタッガードではない配列も存在します。
代表的なものにカラムスタッガードや格子配列などがありますが、ここでは割愛します。

2U Shift / 2.25U Shift の違いと見分け方

実はプレートの「Type-A / Type-B」「2U Shift / 2.25U Shift」というのは、ロウスタッガードの配列における行のズレ方の違いです。

「A」の行と「Z」の行のズレ幅が0.25U(キーの長さの1/4)のものがType-A、0.5U(キーの長さの半分)のものがType-Bです。

「Z」の位置が異なる分は隙間が空くわけではなく、隣の左Shiftキーが吸収しています。
左Shiftキーの横幅は、Type-Aでは2U、Type-Bでは2.25Uとなっており、その長さ自体が配列を区別する際の呼び方としても使われます。

「U」というのはキーキャップの長さの単位です。
アルファベットのキーなど正方形のキーの1辺の長さが「1U」です。

見分け方

最も簡単な見分け方は、「A」キーと「Z」キーがキー何個分ズレているかを見ることです。
「Z」の中心が「A」と「S」のちょうど真ん中にある場合は、Type-B(=2.25U Left Shift)だと分かります。
一方で「Z」の中心が「A」の方に寄っている場合は、Type-A(=2U Left Shift)です。

Type-B(2.25U Left Shift)の特徴と利点

Type-Bは、JIS配列(日本語配列)や、ANSI配列(US配列)で採用されているので、非常にメジャーです。

そのため適合するPCBやケースが多く、選択肢が豊富です。
また、ほとんどのキーキャップセットで2.25UのShiftキーが用意されているため、他のキーで代用する必要がないのもメリットです。

そして、メジャーな配列のため、多くの人にとって慣れているというのも利点の一つです。

Type-A(2U Left Shift)の特徴と利点

実は「Q」行と「A」行のズレ幅は0.25Uなので、Type-Bだと上下でズレ幅が一致していません。
そのため、Type-Bでは「Q」「A」「Z」の3つは真っ直ぐに並んではいないのです。

一方でType-Aでは「Q」と「A」、「A」と「Z」はどちらも0.25Uズレています。

「Z」行が多めにズレていることによるタイプミスが多い人は、Type-Aのキーボードを使うことで改善されるかもしれません。
具体的には、ペーストをするときに「Ctrl + V」を押そうとして「C」の角に引っかかってしまったり、読点「、」を打とうとして左隣の「M」との間にはまってしまったりなどです。

ただし、Type-Aはマイナーなので、安価なキーキャップセットだと2UのShiftキーが含まれていないことも多いことに注意が必要です。
余る予定の他のキーキャップで代用するか、2U Shiftが含まれているキーキャップを探しましょう。

ちなみに、そもそも横にズレているのが嫌だという人は、カラムスタッガードや格子配列のキーボードを検討してみてください。

選び方

PCBやケースが決まっている場合

プレートを用いてキーボードを組み立てる場合、使用するPCBやケースがそのTypeに適合する必要があります。
そのため、使いたいPCBやケースが既に決まっている場合には、それに適合するものを選びましょう。

PCBやケースが決まっていない場合

PCBやケースがまだ決まっていない場合には、使用感で決めるのが良いと思います。

使えば慣れるので、今使っているキーボードに揃える必要はありません。
キーキャップを並べて比べてみたり、両方のキーボードを用意できる場合は試してみるなどして、どちらの方がしっくりくるかで決めましょう。

そこまで違いがないという場合は、パーツの入手性などからType-Bを選んでおくことをおすすめします。

まとめ

「Type-A / Type-B」「2U Shift / 2.25U Shift」の違いについてまとめました。

プレート・PCBを選ぶ際は悲しいことにならないよう、しっかりと適合性を確かめてから購入しましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次