はじめに
「GPK60-63R」は堕落猫さんが設計・販売している自作キーボードキットです。
Poker互換60%キーボードケースに適合するPCBとプレートがセットになっています。
他の多くの自作キーボードキットとは違い、互換ケースを別途用意して組み合わせるのが特徴です。
今回はTofuに入れるホットスワップ対応かつ分割スペースバーのPCBが欲しかったのでこちらを選びました。
自作キーボードのキットは独自の形状のものも多く、「Poker互換」「分割スペースバー」「ホットスワップ」の3つが揃ったPCBは珍しいのでありがたいです。
使用したパーツ・工具
パーツ
パーツ | 個数 | 購入先 | 金額 |
---|---|---|---|
GPK60-63R(PCB) | 1 | BOOTH | 7,500円 |
Tofu60 Acrylic Frosted 60% Case(ケース) | 1 | KBDfans | 11,880円* |
Durock POM T1 Sunflower(スイッチ) | 63 | 遊舎工房 | 5,859円 |
Kailh PCBソケット(MXスイッチ用) | 63 | TALPKEYBOARD | 1,260円 |
Dyboox PC Screw-in Stabilizers(スタビライザー) | 1 | KBDfans | 1,485円* |
ePBT Dreamscape(キーキャップ) | 1 | KBDfans | 19,950円* |
合計 | 47,934円 |
こうして金額にしてみると円安の影響を実感しますね。
なお、ケース、スタビライザー、キーキャップは以前に購入していたものを使用するので現在は販売されていない可能性があります。ご留意ください。
【注意】スタビライザーは2Uが6個必要
スタビライザーは2Uが6個必要なため、60%用のセット(2U x4 & Spacebar)だと足りません。
ちなみに遊舎工房などで2U単品も販売されています。
LEDのオプション
バックライトLEDは、SK6812MINI-E 63個を追加購入することで実装可能です。
アンダーグローLEDはGPK60-63Rの基盤に8個実装されています。(組み立て画像参照)
工具
今回使用した工具はこちらです。
- 作業マット
- はんだごて
- こて台
- はんだ
- はんだ吸い取り線
- ピンセット
- キープラー
- ニッパー
- 精密ドライバー
組み立て
0. 準備
キーボードの組み立て時は、最初にビルドガイドを一読することを強くおすすめします。
というか購入前に必ず読んだ方が良いです。「最初から知っていれば!」という悲劇を防げます。
「GPK60-63R」ビルドガイド
https://kbdbuild.vercel.app/blog/gpk60_63r_build
一通り目を通したら、手順に沿って進めていきます。
1. ファームウェアの書き込み
まずはビルドガイドに従って、ファームウェアを書き込みます。
今回の基盤はマイコンやダイオードなどが実装済みなので、届いたままの状態でPCに接続すればそのまま書き込みが行えます。
「GPK60-63R」はQMK Toolboxを使用してファームウェアを書き込みます。
QMK Toolboxの使い方は下の記事にもまとめています。
2. 稼働確認
ファームウェアが書き込めたら、次に稼働確認をしていきます。
Vial(https://vial.rocks/)の「Matrix tester」など、入力が確認できる画面を開いた状態で基盤のパッドに一つずつピンセットを当て、正常に反応することを確認します。
アンダーグローLEDの稼働も確認しておきます。
なお、アンダーグローLEDのON/OFFを切り替えるキー入力は「RGB Toggle」です。
Vialで一時的にSW01などわかりやすい場所に割り当てておくと楽です。
3. はんだ付け
PCBに問題がないことが確認できたら、ソケットのはんだ付けをします。
ソケットは片側に予備はんだをしてはんだ付けします。Daily Craft Keyboardさんの動画がわかりやすいですね。
なお、ビルドガイドにSW35とケースネジ受けの干渉について記載がありますが、今回使ったTofuは見事に干渉しました。
私と同じ轍を踏まないためにも、はじめにソケットをマスキングテープで固定して干渉するかどうか確認すると良いでしょう。
干渉する場合はソケットの足を潰すなどしてからはんだ付けしましょう。(私はきれいに潰せなかったのでニッパーで切断しました。)
4. ルブ
今回使用したSunflowerはファクトリールブありで打鍵感も気にならなかったので、そのまま使用します。
スタビライザーのみルブを施して次工程に進みます。
5. 組み立て
まずはスタビライザーを取り付けます。
画像の通り、2Uのスタビライザーを6個取り付けました。
スタビライザーを取り付けたらケースに入れて固定します。
GPK60-63Rはキースイッチを取り付ける前にケースに固定する必要があるので注意が必要です。
4か所ねじ止めしたらケースへの固定は完了です。
次にプレートとスイッチを取り付けます。
プレートの穴はスイッチの大きさにジャストサイズで空いているので、スイッチをはめ込むときにプレートが沈み込んでしまうことがあります。
私も何度かその場面がありましたが、都度キープラーで引っ張り上げながらはめ込んでいけば大丈夫でした。
最後にキーキャップを取り付けて、組み立ては完了です。
キーマップ設定
デフォルトのキーマップ
デフォルトで書き込まれているキーマップはこんな感じです。
51行目の「START_COLOR_LAYER」あたりは、後述するカスタム機能のキーですね。
変更後のキーマップ
キーマップの変更はVialを用いてGUI(マウス操作)で行えます。
変更後のキーマップはこんな感じにしてみました。
普段から私が使用しているキーボードと同様、以下のコンセプトで割り当てています。
- ホームポジションからなるべく手首を動かさない。
- ホームポジションのまま凸型Arrows、Home/Endにアクセスできる。
あとは使いながら調整していこうと思います。
【参考】レイヤーごとにアンダーグローの色を変える
GPK60-63Rは、レイヤーごとにアンダーグローの色を設定することができるみたいです。(堕落猫さんの独自カスタム機能、すごい。)
これによって、現在どのレイヤーが適用されているのかを一目で判別できます。
レイヤーごとに割り振る色も自在に設定できます。
おわりに
タンスの肥やしになっていたTofuがホットスワップかつ分割スペースバーのキーボードとして生まれ変わってくれたので何よりです。
半透明アクリルに広がるアンダーグローがきれいなのも嬉しいですね。